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About the piece

アジアの今を生きる個人のアイデンティティや内面を鮮やかに描き出し国際的に高く評価されるタイ現代文学気鋭の小説家、ウティット・ヘーマムーン。若者の日常的所作を現代演劇にアップデートする作風で一躍世界の演劇界の注目を集め、以降も、現代社会をつぶさに観察した作品を国内外の主要なフェスティバル、劇場で発表している演劇カンパニー「チェルフィッチュ」主宰の岡田利規。
2人のアーティストが初めてタッグを組む『プラータナー:憑依のポートレート』では、ヘーマムーンの最新長編小説を岡田が舞台化。バンコクにて世界初演を迎えます!
物語の主人公は、バンコクに住むひとりの画家。芸術活動とそれを取り巻く社会のなかで、自己を探し求めながら葛藤し、さまざまな出会いと喪失を経験します。90年代から現代までの時間の流れの中で、登場人物の内面や性愛感情が鮮やかに描かれながら、彼らが住む社会の歴史、政治変動が投影され、「生きることとは何か」という根源的な問いを投げかけます。 出演にバンコクでのオーディションにより選出した11名の才能あふれる俳優、空間をデザインするセノグラファーにcontact Gonzoの塚原悠也、演出助手にバンコクを拠点にFor What Theatreなどで活動する注目の演出家、ウィチャヤ・アータマート、そのほかタイと日本より集結したクリエイター陣を迎える本作。
世界初演をお見逃しなく!

Message from Artists

ウティット・ヘーマムーンより

自身の作品が舞台演劇に翻案されていくさまを目にすること。それは喜びをはるかに上回る経験だ。心中の欲望が、現実のものになったのだから。抑圧され、語ることもできず、語らせてももらえず、自由を欠いたこの社会で、挑戦的であると見なされ、禁じられているものが、この物語には満ちている。非常に脆く、鋭いものが。この作品に信頼が寄せられて、岡田利規という、芸術的創造の思考と視点を十全に備えた演出家の手に渡り、舞台演劇へと脚色される。禁忌と挑戦が、ぼくたちの心を捉えるものになる。
ぼくたち二人は芸術家だ。民族、それぞれが住む社会、コミュニケーションの言語がどのように異なっていようとも、創作を始めれば、共通点が生まれる—脆く、危険な、針金を這い登っていく。演劇の如きしぐさと身のこなしを生み出すために。美しく生きるために—芸術創造の中で。 だからこそ、なにがあろうとも、この舞台作品を見逃すべきではないのだ。
(2018年6月 ウティット・ヘーマムーン)

岡田利規より

ウティット・ヘーマムーンによって紡がれた、怒りと悲しみから生み出されたエネルギーに充ち満ちている小説、現代のタイの社会に生きる芸術家の半生における性愛の遍歴が、芸術との遍歴が、そして、激しく揺れ動き続けるタイの政治状況・社会状況の中で格闘し、消耗し、スポイルされて無気力になっていく様子が描かれた、おそろしく濃密度で、挑発的で、痛々しいまでに切実な小説。それを原作にして、演劇をつくろうとしている。
わたしたちが身体に囚われて生きていること。身体の欲望に囚われて生きていること。国家に囚われて生きていること。国家の欲望に囚われて生きていること。それらのものに囚われるしかないまま、わたしたちが生と闘って、疲れて、歳をとっていくこと。そのことを、演劇の上演として、体現させようと考えている。誰も見たことのないような形式の演劇をつくりだすことによって。
(2018年6月 岡田利規)

塚原悠也より

最近、90年代の頃をよく思い出す。 自分が14歳のころが93年で、20歳が99年。 94年がアメリカW杯で98年がフランスW杯。 90年代と現在とではサッカーは全く異なるスポーツだ。 それはおそらく僕らの所作にも言えることで、歩き方や、だべり方、人々の距離感など、最近ずっと考えている。 懐かしさ、だけではなく、現在を理解するための「原因」のような要素がこの時代にたくさんある。そんなことはこれまで思ってはいなかった。ほぼ盲点。ペラペラのユーロビート。テレビに映る政治家の所作。ビデオデッキにガチャガチャと吸い込まれるポルノのVHS。
やっとそういうものが作品化される時代が来た。
かといってぼくはやはり自分の仕事として全力でこれらを解体したい。
(2018年7月 塚原悠也)

クレジット Credit

原作:ウティット・ヘーマムーン(タイ語タイトル”Rang Khong Pratthana”)

脚本・演出:岡田利規

セノグラフィー:塚原悠也

演出助手:ウィチャヤ・アータマート

出演:ジャールナン・パンタチャート、ケーマチャット・スームスックチャルーンチャイ、クワンケーオ・コンニサイ、パーウィニー・サマッカブット、ササピン・シリワーニット、タップアナン・タナードゥンヤワット、ティーラワット・ムンウィライ、タナポン・アッカワタンユー、トンチャイ・ピマーパンシー、ウェーウィリー・イッティアナンクン、ウィットウィシット・ヒランウォンクン

衣裳:藤谷香子(FAIFAI)

照明:ポーンパン・アーラヤウィーラシット

音響:荒木優光

セノグラフィーアシスタント・映像:松見拓也

舞台監督:大田和司

原作翻訳:福冨渉

脚本翻訳:ムティター・パーニッチ

翻訳協力:パタラソーン・クーピパット、マッタナー・チャトゥラセンパイロート

通訳:パタラソーン・クーピパット、パイブーン・パッタチャーリーサクン

宣伝美術:宮村ヤスヲ

宣伝美術素材提供:ウティット・ヘーマムーン

統括プロデューサー:中村茜

プロダクション・マネージャー:川崎陽子

プロデューサー:黄木多美子

アシスタント・プロダクション・マネージャー:水野恵美、ポーンチットラー・ウォンシーサワット

票券:チャトゥラチャイ・シーチャンワンペン、ナパック・トライチャルーンデート、ラッダー・コンデート

広報協力:西谷枝里子(リレーリレー)

主催:国際交流基金アジアセンター、株式会社precog、一般社団法人チェルフィッチュ

助成:アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)、公益財団法人セゾン文化財団

会場協力:チュラロンコーン大学文学部演劇学科、シーナカリンウィロート大学 College of Social Communication Innovation、Democrazy Theatre Studio

協力:Bangkok CityCity Gallery、Candide Books & Café、all(zone)、Artist+Run Gallery、B-floor Theatre、Bangkok Arts & Culture Centre

後援:タイ国日本人会

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